コロナ禍において、様々な過去の資産のアップデートが余儀無くされています。
その中で全ての面に於いて「教育」と言う形がアップデートされております。

  • 義務教育に関するGIGAスクール
  • デジタル人材育成の必修科目としてのプログラミング授業
  • オンライン授業

政府、行政自治体も含めて模索中ではありますが
「リカレント教育」と言う側面の社会人教育の部分はどうであろうか?

「リカレント(recurrent)」とは、「繰り返す」「循環する」という意味で、リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。

Wikipedia

「企業における社員教育」の考え方もアップデートの時代に突入

過去の方法を尊重しながらも、アップデートをしていくためには
国内事例だけで無く、グローバル目線で海外の情報にも着目していく必要があります。

企業研修の欧米と日本のスタート位置の違い

・日本は昭和の時代から社員教育の基本姿勢は「改善」や「基礎知識」がベースです。
社員のやる気や成長をベースに制度設計をしております。
・一方、欧米型は特に諸外国は訴訟社会であったり、医療費が高額であるため教育のベースは
クレームを起こさない事、ケガをしない安全対策この辺になります。
教育は高額出費を抑制するために必須な投資になります。

諸外国と日本では経営者の教育に対するスタート位置(モチベーション)が違います。

景気やコロナ影響で左右されないのが欧米型で顕著に左右されるのが日本式の教育投資になります。
このように欧米と日本の社員教育のスタンスが違うのが伺えます。
この辺をもう少し深掘りしてみます。

社員教育を整理するために3つに分けて考えます。
・新人教育
・中堅社員、幹部社員のための教育
・専門教育

新人教育

新人教育は何となく理解出来ますよね、新卒で有れば社会人としての心構え
会社の理念や考え方に理解、仕事をする上での基本知識などです。
海外企業では「オンボーディング」と呼ばれている

「オンボーディング」とは、新しく加入したメンバーの受け入れから定着、戦力化までの一連の流れのプロセスを指し、組織の文化やルール、仕事の進め方などにいち早くなじませ、パフォーマンスを引き出すための教育・訓練プログラムです。

ここには日本企業とも大きな差は無さそうです。
座学講習やグループ討議、OJTなどがそれに当たりますね。

新人教育の求める結果についてです。
ゴールは社会人としての最低限の知識を学び会社の事業発展の礎となる事かと思います。

表立ってのゴールは正しいようですが
この辺のゴール設定が多少欧米と日本の違いが出るようです。
日本と欧米企業の雇用に関する考え方の違いも大きいようです。

日本の基本的な考え方は

終身雇用がバックボーンもあり、会社への忠誠心がベースに、これを元に社員の洗脳的な教育思想がうかがえます。
個を活かすと言うより、組織を活かすための方向性が見えて来ます。

欧米的な発想(考え方)は

雇用の流動化が基本の欧米は、会社の忠誠心と言うよりは即戦力を最重要視しているようです。
時間をかけて育ててもスキルを持った瞬間に転職などは常識の文化のようで
個のパフォーマンスを最大限に引き出すと言う教育訓練がベースです。

今後日本が目指すべき方向は?

終身雇用の崩壊、ジョブ型雇用、副業の勧め、DX改革と
日本も大きな舵取りを迫られています。
そうなると今までの様な画一的な会社の忠誠心型の教育方法は淘汰されるのかもしれません。
欧米型が100点満点かの判断は危険ですが、個を活かす方向の新人教育は必須になっていくのは予想出来ます。

新人教育の方向性の結論

海外の企業では末端の社員が重役に直接意見を述べるようなことも珍しくありませんが
日本の企業ではとてもそんなことはできません。
下から順番にトップへ情報を伝えるようなシステムが出来上がっていますし
平社員が経営層に直接意見を口にするなどとんでもないことだと考えられています。

また、例え新人がアイデアを出したとしても「新人なのにわきまえろ」となってしまうケースがほとんどです。
諸外国では良いと思ったこと、伝えるべきことは相手が上司だろうと自分が新人だろうと発言します。

この様な風土(社風)を作れる環境作りが大切になります。
ここでの結論は詰込み座学的な研修では無く、活発な議論が出来る環境作り
私でも良いアイディアなら進言しても良いのだと言う論理的な思考の人材育成方法への転換
を最優先にすべきと結論付けます。

中堅社員、幹部社員のための教育

実はこの研修が新人教育よりも重要と考えております。
先にも述べましたが、新人教育の基本方針として「活発な議論が出来る論理的思考」
の充実と言いましたが、この「活発な議論」の邪魔をするのが中堅社員や幹部社員になります。

特にこの方々(年代層)は会社への忠誠心や年功序列、縦社会を学んで来て
その考え方を「良し」として来た方々です。
この方々が新人に対して「言われた事だけやっていれば良い」「新人なのにわきまえろ」などと
言おう物なら若手も一気にやる気を削がれます。

こんな空気を作っているのがこの年代です。
もっとも怖いのは、これを非常識と疑わずに「老害」と感じていない事です。
良くあるのが「報連相」を強要する上司
情報は必要な人が取りに行くと言う基本を忘れ「最近の若者はコミュニケーションが取れていない」と
公言する方々です。あなたが社内のコミュニケーションを悪くしている事に気付かない
一番の問題核です。

ここは欧米との比較と言うよりも、一番重要視しなくては行けない内容です。
意外ですが、多くの企業では新人教育には比較的力を入れますが
中堅層や幹部社員への教育の機会は少ない印象です。

中堅社員、幹部社員教育の方向性の結論

この層の方々には改めて「リカレント教育」をして行く必要があると思います。
しかし、この分野で出来上がった人を「教育の場」に引っ張り込むのは容易ではありません。
何故なら「我々が会社を引っ張っている中心」との思いもあるからです。
「学は我々では無く、これからの人たち」とこの思いを覆すのは容易ではありません。
中途半端なコンサル講師では逆に論破される危険もあります。

なので反発されない様な建付の研修
・「社内のコミュニケーション術の再認識」
・「これからのデジタル化社会に向けて中堅社員が学ぶべき内容」
的に警戒心をつけられない様な興味からの学びの機会が良いと思います。

これらの研修(表向きは)ですが
内容は自身の考え方のアップデートや老害となっている自覚
このように感じていただく様な方向が良いと思います。

専門教育

これは一見わかりやすそうですが、内容をもう少し分解して整理します。

  • 一般的な専門教育(品質管理、FMEA、経理、HACCP、CAD)
  • 社内の固有の専門教育
  • 資格取得の専門教育

これは簡単で、外部の講師やイーラーニングでも良いと思います。
社内の固有の教育はOJTで賄えます。
受け放題のサブスクモデルなどでリーズナブルにお手軽に受講出来る環境が有れば良いでしょう。

企業としては、社員の自己啓発計画に基づいてカリキュラム選定や教育訓練費を策定して進めていければ良いですね。

しかし、少し残念なのは大手ではこの考え方は通用しますが
中堅以下の中小企業ではあまり歓迎されていないのもこの分野です。
ここに教育予算として計上するのは無駄と思っている経営者も多いようです。
自己啓発では費用対効果が見えないと言うのが根強いのかもしれません。

まとめ

欧米との比較と言う表題から少し転じてしまいましたが
その部分は次に章でまとめすとして
この章での結論としては

新人教育のベースは最低限の座学と議論や意見出し(ロジカルに)手法を中心にしたワークショップ的な
演習をメインにするべき。
リアルかオンラインかどちらかと言うと「グループ討議」が中心となるので
こんな時期で何ですが…基本はリアルで

まちの総務的視点から考えると「社内のクローズド研修」よりも
「会社を超えて違うメンバーとの研修」が絶対に役に立つと思います。
その際はリアルも良いですが
メタバースの世界でアバターとなってリモート討論会的なブレストでも良いと思います。
是非、テストモデル作って試して見たいですね。

最重要な「中堅社員、幹部社員教育」ここは上で結論付けましたが
如何に経営者に訴求して理解を得て、中堅層や幹部を引っ張り出せるかが鍵です。
もちろん一社内のクロースドでも良いですが
まちの総務的な理想は「会社を超えて違うメンバーとの研修」が絶対に良いです。
この層にメタバースと言うと混乱するので、こちらはリアルが良いかもです。

最後の専門教育に関しては社内独自と言うよりは社外の良い仕組みを活用して行きましょう。
その代わり世の中(日本)でもこの分野は相当な数もありますので目利きも必要になります。
この目利きを「まちの総務」として推奨が出来れば良いのですが

そのためには「まちの総務」としての信頼性や実績のブランド化を積み上げる必要があります。
是非多くの方の協力を得られれば幸いです。

次回は表題の通りの欧米との比較をしながらのお勧め製品について言及してみます。

ーPRー