コロナ禍の影響で『働き方改革』にも大きな変革がきています。
過去の固定概念や風習で行っていた行為に本気で向き合う時期になりました。

その中の急先鋒は「ハンコ文化」です。

これは様々な歴史の中で業界圧力、政治的判断諸々でお蔵いきでしたが
本気で考えて行くことになりそうです。

いち早く合理化した金融

事業者の負担で特に多かったのは、銀行印の取扱いでした。
全体的には銀行印自体は無くなっていませんが「通帳の印鑑不要」
大きな進歩かと思います。
一番お堅い金融業で「通帳再発行時の印鑑不要」は今では驚きませんが
当時はかなり革新的(当然軋轢もあったでしょう)かと思います。

先ずはここをベースに、お金以上の契約で何が重要でしょうか?
から掘り下げます。

社内の印鑑文化

これは意外にも特に製造業では進んでいません。
それはやはり「ISO」が影響しています。
いわゆる責任と権限を明確にするために

「誰が何時承認してこの文書に責任を持つか?」
これを拡大解釈して「絶対に印鑑承認は必要で・・・いや必須」と刷り込まれています。

これは私も前職時代にISO関連の担当をしていた時に良く戦った議論でした。
ISOでは「ハンコ」が必須などと一言も言っていません。
むしろISOは国際標準をベースなので、ハンコ文化の無い国も対象です。

必要なのは「ハンコの印影」では無く
誰が何時承認したかの履歴を確認出来れば良い分けです。

社内ではココを抑えれば良いのですが「ハンコを押すのが好き」なので
特に全体最適には影響もないので個々の判断で・・

会社間の対応

【GMOインターネットグループ】お客様手続きの印鑑を完全に廃止・契約は電子契約のみへ

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002854.000000136.html

これは言わずもがなですね。
他社事例が好きな日本は間違いなく追従するでしょうね。
逆に、ここで実績を積んでシステム化をした場合にGMOが業界システムの
先行者利益を得る気がしてなりません。(ここにもビジネスの臭いが・・)

行政側の対応

昨年に面白い記事を発見しました。
本末転倒ではありますが、業界関係者の苦しい答弁でした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-00010001-wordleaf-pol

行政手続きのオンライン化に対しては、印鑑の製造事業者らで構成する全日本印章業協会などが要望書を提出していますが、その内容をめぐってネットではちょっとした騒動となっています。その理由は、要望書の中に「欧米のサイン制度と違い、代理決済(原文ママ)できるという印章の特長が、迅速な意思決定や決裁に繋がり・・」という驚くべき文言が入っていたからです。

かなり興味深い、協会の答弁です。
代理決済は重要で日本の文化のようです。
そうなるとISOで言う責任と権限が・・

国家間の契約や首脳会談で最終合意を確認する文書に署名などは
印鑑は多分認められないでしょうね。

外野がギャーギャー騒ぐよりも、今回は待った無しの大岡裁きに期待したいです。

降っては消えた議論も今回の件で、ヒステリックにならずに
先ずは自身の身の回りから、みんながまじめに考える時期かもしれません。