「タイミー」と言う企業名は知っている方も多いでしょう。

 2024年7月26日、単発アルバイトの仲介アプリを手掛けるタイミーが東証グロース市場に上場した。

タイミーは、働きたい時間と働いて欲しい時間をマッチングするスキマバイト募集サービスです。
企業は来て欲しい時間や求めるスキルを指定するだけで、条件にあった働き手が自動マッチング
します。規模や時間を問わず、あらゆる業種で利用可能です。

タイミーHPより

いわゆる、アルバイトの募集企業と働きたい方をマッチングするサービスを提供する会社です。
との理解でよろしいかと思いますが

これをシステム屋目線で見るともう少し違った世界が広がります。

タイミーは「人材DX」の先駆的企業

「人材DX企業」と表現すると「???」となるかも知れませんが
単なる人材マッチングサービス会社とだけ捉えると企業価値を見間違います。

それは何かと表現しますと
「人材管理において全てスマホ上で完結出来る仕組みを構築した会社」
と表現するのが正しいと思います。
これには今までの流れについて解説するのがわかりやすいと思います。

通常のアルバイトを雇っている飲食店のオーナーを想像してください。

  • 求人票を出して
  • バイト希望者を面接して
  • 履歴書、雇用契約なり給与面の書類やり取りして
  • アルバイトのシフト表を作って
  • 人との出逢いはご縁なのでお互い良い/悪いも働いてもらうまでは分からない
  • 必要により保険や税金の手続き
  • 給与を銀行から支払って(月末、週末)

これ全て「スマホ内」で完結できるそうです。
(1部管理画面は見易さの関係でPC版もありそうですが)

今となっては(結果論)から見ると「フーン」って感じですが
DX目線で何よりもすごいのは
「時間軸を中心に添えて再設計」した部分です。

時間軸?で再設計

時間軸とは?と思います。「バイトはそもそも時間給でしょ…」となりますが
契約面から見て見ましょう。

時限的雇用契約の締結とペーパーレス

今までの雇用契約書をイメージして下さい。先ずはペーパーレス自体が考えられますか?
「雇用条件(給与内容、留意事項)を紙で提示して、押印して契約締結」
これが過去の概念でした。

そこをDXで再定義
スマホで勤怠開始した時間から終了した時間(イン/アウト)を時限的に雇用契約締結する感じ
雇用契約書を事前に読む読まないは別にして、雇用契約締結は働いた時間だけ締結し
仕事が終われば締結終了。

この位にシンプルです。
これは頭のお堅い方々には想像も出来ない「革新」事項だと思います。
契約書が書面では無く(押印不要)で、働いた時間だけで時限的締結ですよ
この考え方を具現化した時点で「あっぱれ」です。

そのほかにもいっぱいありますが、そちらの方は比較的想定内ですが

  • 働いた時間(給与支払いまで)スマホで完結
  • 雇用側のシフトに合わせてマッチング
  • 雇用側と働く側双方の評価システム(評判の可視化)
  • 雇用側は仕事を細分化する事で面接、履歴書も不要
  • 良い人材の引き抜き可能(報告義務、紹介料なし)

あげるとキリがありませんが、
正社員、派遣業務、アルバイト、タイミーという働き方の選択肢
いずれはタイミー社が自社のアプリを「人事DXSaaS」とか「人材DXプラットフォーム」
として販売する日も近いかも知れません。
人材派遣会社などでも検討すべき日が来るかもです。

何しろすごいのはスマホの「IN/OUT」だけで「責任の所在を明確にした点」に凄みがあります。
無尽蔵に人材を抱えると様々な問題にもなりますからね
そうなると業界変革も起きそうな予感がします。

興味を持ってウオッチして行きたいと思います。