お仕事柄多くの製造業様の工場見学や工場視察をさせていただいております
そんな中工場をただ漠然と見学するのではなく、私なりに見学のポイントをまとめており
そこを重点的に見ることで工場の状況が理解できます。
前回は視察のポイントは「5S確認」でこれを確認する事で企業の体質も見えて来ます。
しかし実際に運用を社内で行うには企業単独では難しく
社員の意識改革も踏まえた専門家による教育も必要と書きました。
海外工場のものづくり状況について
これは私が直接見た訳では無く、関係者ヒアリングや現地の担当者から伺った内容です。
アジア地区での生産工場の状況としては、多くの企業が以前の中国やタイ進出をはじめ
東南アジア地区に進出しております。
今回のお話は日系企業の海外進出の話題では無く、ローカルの工場のお話です。
日本の中小企業経営者と海外(特にアジア)の中小企業経営者では大きな違いがあるそうで
いわゆる土地持ちの超富裕層経営者が工場経営するケースが多いようです。
そうなると莫大な資金を元手に多くの従業員を雇用して格安での大量生産に乗り出す。
その商品が世界中に広がる訳ですから日本国内工場とでは太刀打ち出来ないのも理解出来ます。
世界と日本はどこで勝負するか?
世界と日本はどこで勝負するか?「Japan as No1 品質」になります。
効率化や豊富な資金をバックにした生産量では敵いません。
こんな逸話があります。(海外のコンサルからの情報)
とあるアジア地区の大量生産工場で1000個の不良が出たそうです。
これが日本国内だとどうなりますか?考えただけでもゾッとしますが
その会社では「1000個不良が出たなら2000個良品を作って納める」
この様な対応で事を済ませる様です。
「不良が出ちゃった!ゴメンゴメン倍の製品で勘弁して」
こんな感じがスタンダードの様です。
これは少し前のグローバルスタンダード(アジア品質)だった時期もあった様です。
流石に最近は進化しているでしょうが、この様な考え方は今でも根付いてはいる様子です。
そんな中伺った内容では、ここの問題を感じた外国人経営者が
「Japan as No1 品質」を学び出しているとのお話でした。
アジア国内出荷で有れば従来通りの運用で問題無くとも
欧米諸国や日本への出荷を検討する際には「安かろう悪かろう」は
通用しない所に気付き出している様です。
これはやっぱさすが「Japan as No1」だよねと喜ぶ内容では無く。
富裕層経営者の潤沢予算を元に広い工場、多くの従業員、最新設備を有する新興工場に
「日本のものづくりマインド」がプラスされたら…
もう日本国内では太刀打ち出来ないですよねと言うお話です。
これは海外ローカル企業のお話では無く、日本から海外に進出している日系企業にも言える事です。
日本企業のものづくりは国内展開だけで進むのか?グローバルとガチ勝負していくのか?
残念ながら明快な回答は持ち合わせておりません。