企業の人材不足や政府の働き方改革の号令を受け
改めて企業の在職者研修という形で社員スキルアップ教育事業が重要視されています。
そんな中、2018年4月より開始しました「生産性向上訓練事業」の件
予想通りの反響を頂き、数社(複数講義)の訓練実施の計画が始まりました。
中小企業の経営課題解決へ「IT、教育、設備のエコシステム構築」
中小企業様への営業活動も積極的に実施しております。
十人十色と言うように、人が求めるモノは様々で課題も様々でございます。
これが、十把一絡げでは進められないマーケティングの難しさで有ります。
多くの経営陣や人事総務担当の方とお会いする中でこの「人材育成、社員教育」と言う
キーワードからユーザーの傾向が見えて来ましたので少し整理して見ます。
人材育成、社員教育 ユーザー事例から見るマーケティング3種分類
①自社の課題が明確であるが、解決の方法論や進め方をわからず模索している企業
②目標や課題は漠然としているか、定型的な社員教育カリキュラムを設けて質の向上を図りたい
③あまり教育に興味は無く、生産優先
今までお会いして来た経営者や総務人事部部門の方の層別はこの様な3種で、その割合は
①20%―②20%―③60%
位の割合かと考えます(あくまでも個人統計です)
それぞれの考え方も有り、良し悪しの判断は別にしてこの3種の事例や経営者の背景(バックボーン)を読み解きます。
①自社の課題が明確であるが、解決の方法論や進め方をわからず模索している企業
ある企業(製造業)の工場長さまとの面談の中で、現場作業は社員と派遣の方が行っている企業
製造の中で一定の不良が出る。(これは仕方ない事では有りますが)
そのために受注より少し多め(不良分の差し引き)に作る文化だそうです。
なので、不良改善と言うよりも、作業性効率を上げて生産数を伸ばす事に注力している管理をしていたそうです。
しかし、その部分にメスを入れたいというのが工場長でした、しかし昔からの慣例や文化も有り中々改善策が見いだせずにいた中、今回の社員教育制度を利用したいと言う呼びかけでした。
目的と課題は明確です、作業の中ではある程度の不良が起きる事は有ります。
しかし、不良を起こす原因も何処かに有るはずです、ここを問題と感じ意識する事は重要です(不良改善の前に)
不良を不良として見過ごすのでなく何故?と言う意識改革から次のステップに進みます。
この部分の目を養う事やロスの考え方をメインに生産性向上教育のカリキュラムを構成致します。
もう一事例、こちらも部品製造の会社です。
こちらの二代目?社長さんはどうにか生産性を今よりもアップさせたいと言うのが目的でした。
そのために社員教育の重要性を理解していて「業務時間内(人件費コスト)を多く掛けてでも社員教育を充実させたい」との事でした。
社員が数十名クラスの中小企業ですが、そこまで作業性を下げてでも教育に時間を掛けて大丈夫?とこちらが心配する位でしたが「大丈夫」との事
その真意をお伺いすると、教育を充実させて生産性を向上させて「大企業並みに従業員の休暇を増やしてあげたい」と言う明確な目標を持っていました。
このお話は私自身久々に少ししびれました・・
②目標や課題は漠然としているか、定型的な社員教育カリキュラムを設けて質の向上を図りたい
この考え方はシンプルです。社員数が100~500名以上位になると総務人事部部門の役割も多くなり、その中に「社員教育」と言うミッションが入って来ます。
自社内でまかなえれば問題はないですが、カリキュラムとして品質管理、生産管理、工程管理諸々・・を社内講師で賄うのは人員が潤沢で予算があるメーカー規模で無いと難しいと思います。
そんな時に活用出来るのがアウトソース(外部人材活用)になります、格安で豊富なカリキュラム(オリジナル研修含む)が可能になれば、計画的な予算計上もし易いですし、計画担当自身の業務も楽になります。
この様に考える経営者や総務部門の担当は一定数おります。
③あまり教育に興味は無く、生産優先
最後は③ですが、これは特殊な考えでは無く、比較的多いのが中小企業の実態です。
特に実績を上げているオーナー社長の会社で多い傾向が有ります。
「生産性向上」とか耳障りの良い言葉に何故か拒否反応を示します。
お話を伺う中、どうやら過去にいくつかの失敗経験やエセコンサルにやられている経験が有るようです。
特にISO推進を積極的に行っていた今から十何年前位に多くのISOコンサルと名乗る方や経営コンサル会社の方が広く営業を掛けてきて実施した事が有った様です。
決してコンサルが悪いのではなく、経営者側も大枚を払う見返りにコンサルが「生産性向上や改善をしてくれる」とはき違えて依存してしまった事が多々あったようです。
これは絶対に失敗するケースです。
コンサルは自身の成功体験を元に、会社にアドバイスを行いますが実際に活動し成果をあげるのは自身の会社で有り社員や社長です。
コンサルに過度な期待と多くのコンサル料を支払っても見返りは???です。(と思います)
このようなトラウマを持った経営者さんに、「生産性向上、社員教育」の重要性を唱えてもケンモホロロです。
実際この様なケースは多い様です、俗に言う「コンサルアレルギー」
マーケティング的にはもっと多くの事例やケースは有りますが、ざっと分類すると上記の3種になります。
我々が生産性向上訓練教育を進めて行くには、①や②のハードルは比較的低いです。
相手が求めている事でそこを埋める訳ですから。
しかし、難しいのはこの様な経営者にピンポイントで出逢う事です。
圧倒的に多いのは③の事例です、中小企業のほとんど?と言っても過言ではなさそうです。石を投げれば当りそうです・・・
しかし閉ざした心を解凍するには時間と根気が必要です。
マーケティングに王道は有りません。
①②のお客さまを第一優先に実績と事例を重ね、これを丁寧に伝え紹介や事例を見せて行く事で③のお客様に展開して行く。
この様な進め方が遠くて近い方法かと考えいます。
マーケティングを一言で括るのは難しいですが、どこの業界でも進め方の基本は一緒です。
「お客様の声に耳を傾ける」
「答えはお客様が持っている」
「攻める縁より、待つ縁を大切に」
この様な事を念頭に置いて進めて行きます。