IoT言う言葉が「バズワード」では有ります。

「IoTケーススタディ研究会」を発足させてお客様とのコミュニケーションから得た情報を元に考察してみます。

 

「工場のIoT戦略は面と点の2方向から攻めるべし」

 

工場が進めるIoT事業をややこしくしている部分で
立場による進め方の合意が難しい部分があります。

IoT事業を工程品質管理の観点から考察します。

・改善活動のセオリーとして、現状の数値を把握
・目標数値に対してその差を埋める事が改善活動

多くの中小企業の経営者とお会いする中、現状の数値を捉えていない方が多いです。

漠然と「在庫が合わない」「品質が上がらない」「設備稼働率が悪い」

この状況で経営者から「不良を無くせ!作業効率上げろ!」

とハッパをかけても、現場は何から手を付けたら良いか???です。

現場としては何か策を練らなければと各自様々な改善活動をバラバラに…

その結果、経営側と担当者とのギャップが生まれます。

中小企業の工場に於けるIoT

大きく分けて2つの側面が有ります。

「面と点」

「面」:経営的な活動、工場を俯瞰で捉え全体の状況を把握
「点」:技術的な活動、課題に対して深堀した分析&改善活動

面と点の管理は品質改善活動の両輪かと思います。

この辺を混同し活動を開始しているケースが多い様です。

「面で抑えて点を捉える」

①面で俯瞰した現状を見える化
②数値化した目標を決め
③目標達成に何をすべきかみんなで議論(点の洗出し)
④点の具体的な改善を行う

この様なPDCAサイクルに合せての活動が一般的かと

この内容を踏まえて、企業のIoTの優先順位は

①出来るだけシンプルに格安(これは展開には重要)で工場の状態を俯瞰できるIoT導入。
②問題点を抽出した物に付いて深堀の分析モニターIoTを順次導入。

この様な進め方がベストかと思います。

先ず経営者はアレコレ指示を出す前に、お金を・・・(笑)
見える化の仕組みに投資して下さい。

色々が見えてくると、具体的な問題項目が見えて来ます。

問題項目が見えると、改善力の有る担当者の本領発揮です。

こちらは、具体的な改善なので費用対効果も見え易く費用の回収も早いので
稟議決済もし易くなると考えます。
単純に工場のIoTと言っても、それぞれの財布事情、技術力事情…様々ですが
大手も中小もこの方向は一緒かと思います。

是非、参考にして下さい。