
はじめに:なぜ今「リスクアセスメント」なのか?
労働安全の観点からも、多くの中小製造業にとって「リスクアセスメント」は避けて通れない
キーワードになっています。
背景には、安全衛生法令の強化や、親会社・取引先からの要求事項、さらにはISOやSDGsなどの
社会的要請の高まりが挙げられます。
しかし実際の現場では——
- 「うちはそこまで危険な作業はないし…」
- 「何から始めればいいかわからない」
- 「形式だけのチェックリストになりがち」
といった声が根強いのも事実です。
それでも、もし今後大きな労災や製品事故が起きてしまったら。
「できることはあったのに」という後悔は、経営にも、従業員にも、大きな傷を残します。
そこで本ブログでは、中小製造業に向けて、「無理なく・形だけで終わらず・現場とつながる
リスクアセスメント」を全5回シリーズで丁寧に解説していきます。
連載シリーズ:現場から始めるリスクアセスメント
〜中小製造業でもムリなく実践できる5つのステップ〜
第1回:リスクアセスメントの基本
「リスクとは何か?」「なぜ今必要なのか?」を現場目線で解説
- リスクアセスメントの定義と背景
- 法令との関係(労働安全衛生法・ISOなど)
- 中小企業が取り組む意味とメリット
第2回:組織体制のつくり方と経営層の巻き込み方
リスクアセスメントを“他人事”にしない組織設計の工夫
- 責任者・推進チームの設置方法
- 経営者の理解を得るためのアプローチ
- 小さなチームでもできるスタートの形
第3回:現場従業員を巻き込む方法と実践の工夫
「やらされ感」から「自分ごと」に変えるステップとは?
- 協力を得るためのポイント
- 実地観察とヒアリングの進め方
- 小さな成功体験を共有するしくみ
第4回:教育・訓練の進め方と習慣化のコツ
「一度教えて終わり」にしないための教育設計
- 初期教育と継続教育の考え方
- 社内マニュアルやチェックリストの活用
- 定期的な見直し・訓練の進め方
第5回:中小企業でもできた!有効事例とその工夫
実際に効果が出た“等身大の成功例”をご紹介
- 事例1:5人規模の工場で起きた意識改革
- 事例2:親会社の要請を逆手にとった改善
- 事例3:新人教育とリスクアセスメントを組み合わせた成功例
終わりに:リスクアセスメントは「守り」ではなく「強み」になる
リスクアセスメントは、単なる法令対応ではなく、企業の安全性・信頼性・持続可能性を高める
大きなチャンスでもあります。
それは「現場の声を経営に届けるツール」であり、「従業員の意識を変えるきっかけ」にもなります。
次回から始まる各記事では、なるべく専門用語を避け、誰でも取り組める現実的な方法をお届け
していきます。
ぜひ、シリーズを通してご一読いただければ幸いです。