私自身も企業さまなどのDX研修を行わせていただく中
まだまだ明確な「これがDXだ‼︎」的な回答は出ていませんが
この件を追求しているうちのおぼろげながら見えて来た事について言語化します。

まず、企業さま研修において「DXやAI」などを議論する場合
自社の成果や活用方法を中心に考えてしまいます。
まあ、これは当然ですね、それが自身に取って最適解ですから

しかし、その目線から「DX」を捉えると、大きく見誤ります。
と言うよりも小さくまとまってしまい、DXなどの本質を見誤ります。

一般的に企業内の業務改善などをベースに考えた場合には
DXよりもデジタル改善で大きく変化出来る可能性があります。
この辺からデジタル化(デジタイゼーション)とDXを混同しがちです。

なので、中小向けのDX研修などでは、まだまだアナログ思考から抜け出せない
企業さまがデジタル化への改善を期待して研修に参加しますので
この辺のギャップが中々埋まらない(埋まりにくい)環境でもあります。

DXはどの辺の目線から考えるべきなのか?

では、DXはどの辺の目線から考えるべきなのか?
ここが重要なスタート地点になります。

先ずは、対極的に社会構造から考えます(笑)
これは少し極端ではありますが、あながち間違ってはいません。
「情報の上流(源流)まで遡って考えてみましょう」になります。

川下思考からの目線では、部分最適になってしまう可能性も高く
改善幅や出来る範囲から進めてしまうので、本質論の部分まで行きつきません。

この解説ではまだ漠然としてしまっていますよね。
もう少し具体的に解説すると

毎度毎度で恐縮ですが「まちの総務」的な思考が必要になります。
※それでもまだ小粒ではありますが

個社のお悩みや改善案(アイディア)を一歩引いた立場で
企業に横串を刺した状態で考えた場合にどの様な方向が見出せるか?
こんな目線(俯瞰視)出来るとDX(AI、クラウド、ビッグデータ、IoT)の
本質が見えて来ますし、その目線から進まないとDXの本質価値が薄まります。

行政の活動を例に取ります。

基本、市町村、都道府県含めて規模、予算レベルでそれぞれが同様のお仕事を進めながらも
デジタル化や進め方に違いも出て来ます。
個別最適として予算を掛けての大型システムを導入している行政もあります。
デジタルとは無縁の完全アナログ思考の行政も多いでしょう。

これは「まちの総務」的な立場で見た場合、企業でも同様の状況が起きています。
予算、人員、技術レベルでそれぞれが同様業務でも違う仕組みで進み
それぞれに担当が存在して別々に運用しております。
そこまでは今まで言う所の「デジタル化」の状況です。

そこで登場したのが「デジタル庁」になります。

デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDXを大胆に推進し、デジタル時代の官民の
インフラを一気呵成に作り上げることを目指します。

デジタル庁HPより

本来は共通のインフラ上でサービス提供すべき行政サービスについて
今までは横串を刺す様な組織やインフラも無かったですが
DX関連技術向上(AI、クラウド、ビッグデータ、IoT)と上位の横串司令塔組織
により実現可能(実現可能を予想される)が期待される様になりました。

もちろん、まだ志半ばではありますが方向性は明確です。
※物事が変わる時には軋轢や不安も付きものなので

本論に戻します。
企業目線でDXを語る場合には、一度企業版デジタル庁のイメージから俯瞰する必要があります。
すると業界慣習や企業独自の慣習などは、本質論と言うよりも些末な内容に見えるかもしれません。

もちろん、これは1個人や個社単位で出来るはずは無いのは承知しています。
しかし、この辺から議論して変革して進む場合に、本当の意味で
「クラウド、ビッグデータ、AI、IoT」の最大恩恵があると考えられます。

「あまりにも自身とはかけ離れているので、想像出来ない」と言われるかも
しれませんが、この様な目線をベースに置かない限り
「DXの本質価値」を見出せないのではと思う次第です。

ここ重要
だからと言って、大きい事ばかり言いながら何も進まないのは本末転倒です。
あくまでも目線(俯瞰視)のお話で、上流から下流に落とし込みその中から自社に合った内容を
議論しましょう。
こんなご提案になります、ぜひ一歩進んで行きましょう。