中小企業でのデジタル化課題は騒がれておりますが
中小企業では人員、予算の関係で「ひとり情シス」に頼らざる得ない状況
そんな多くの現場を見て来た経験と自身の経験から
シリーズ企画として「ひとり情シスを救いたい」と題して
関係者へのアドバイスや応援内容を言語化してみます。

前回は「管理と運用は分けるべし」として「運用メインの業務体質から
「管理と管理体制」の確立をしっかりしましょう」について書きました。

手柄を作るより借しを作る

今回のテーマは「手柄を作るより借しを作る」について解説します。
まだまだ中小企業ではデジタル化が発展途上な事も手伝って
社内のデジタル格差も大きいと思います。

そうなると少し技術を知っている(PC好き)は会社内で重宝されます。
その結果、そのまま「IT担当」になったりしているケースが多いです。
自身の興味がそのまま仕事に直結して「頼り頼られ」当初はモチベーション爆上がりで
「皆から頼られます」
それがいつしか「何故自分だけ?」「他の方は何故学ばないの」と会社の村社会での
デジタル格差が広がって行きます。

ITサポートしている方からすると「自己肯定感の報酬が感謝の言葉」になり
「手柄」だけが見えない報酬となって、それだけだと「長続きしなくなり、いつしか不満にもなって来ます」
そんな「不満が蓄積」されて「ひとり情シス」の孤独感と不満分子へと進んで行きます。

手柄を作るより借しを作る

ではどのような心持ちで接するのが良いか、
実施内容の感謝の気持ちやボランティア精神を「手柄」とは考えずに
「貸しを作った(相手から見ると借りを作った)」と言う心持ちにマインドチェンジして行きましょう。

この「貸し」と言う積み上げが、自身の立場を大きく
影響力となって活きて行くという事を理解しましょう。

過去にこんな経験がありました。
前職でまだ若手社員だった時、何となく「ひとり情シス」として活躍していました。
ある時、会社のトップの方が「海外出張の際に海外でもメール確認出来るように設定して」
との依頼が、これは立派なお仕事としての内容です。

私自身も初めての経験でしたが、あれこれ調べて(当時はネットがダイヤルアップ方式)
海外のホテルからVPNを活用して社内のサーバーに接続してメールを確認出来る設定を行い
専用(個人向け)の「VPN接続マニュアル」を作成して対応しました。

トップの方からかなり感謝され、海外のホテルから私宛てに「メール」が送られて来て
「無事につながりましたありがとう」と届き、何かグローバルな感じが嬉しかったのを覚えています。

そんな事もあり、事あるごとに相談やIT介護をして良い関係性が築けたことがありました。
トップを巻き込む事で、その後の課長、部長などは私の手のひらの中でww
結構自由に裁量権もいただき好き勝手やらせてもらった経験があります。

そんな原体験もあり「手柄を作るより借しを作る」がひとり情シスが心得るマインドになる内容です。

社内のデジタルヒエラルキー(格差)を逆手に、虚勢を張るのでは無く
「貸し」と言う「徳を積む」意識で進めて行けると気持ちも楽になりませんか?

「やらされ感から徳を積む」にマインドチェンジして行きましょう。

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