
以前はここで⇒従業員目線での上司や経営層への不満や課題、対処方について書きました。
今回は逆に経営層目線からの従業員に対しての困ったや対策方に関して考察します。
第1回:「困った従業員」あるある5タイプ
■ 序論:なぜ「困った従業員」が経営を悩ませるのか
中小企業から大企業まで、経営者や管理職が頭を抱える共通の課題があります。
それは「人材の力をどう引き出すか」というテーマです。
経営の視点から見ると、会社の成長や組織改革はシステムや戦略以上に「人」に左右されます。
優秀な人材が集まれば推進力が生まれますが、一方で「困った従業員」が組織に与える影響は予想以上に大きいものです。
- 改革を進めたいのに足を引っ張る
- チーム全体の士気を下げる
- 無駄なトラブルやストレスを発生させる
つまり、困った従業員の存在は、ただの個人の問題ではなく、組織全体の生産性・雰囲気・将来性を揺るがすリスクなのです。
今回の記事では、どの企業にも一定数存在する「困った従業員タイプ」を整理し
その特徴を掘り下げて解説します。
「あるある」と共感できるポイントも多いはずですので
自社の状況と照らし合わせながらお読みください。
■ 困った従業員 5タイプ
- 指示待ち人間タイプ
• 言われたことしかやらず、自発的な動きがほとんどない。
• 責任を避け、「指示がなかった」と言い訳する傾向が強い。
こうした従業員は一見「真面目で従順」に見える一方、変化や成長のブレーキになりやすい存在です。
特に、改善活動や新しい取り組みの場面で「前例がないから動けない」という姿勢を見せ、結果的に組織の足並みを乱します。
- 自己保身タイプ
• ミスを隠したり、責任を他人に押し付ける行動を取りがち。
• 自分の評価を最優先し、改善や挑戦には消極的。
このタイプは一見「優秀で要領がよい」ように振る舞います。
しかし、いざ問題が起きるとチームワークを壊す行動をとり、組織内の信頼関係を蝕むリスクがあります。
結果として、現場では「一緒に仕事をしたくない人」として敬遠され、孤立しやすくなります。
- 怠惰・やる気なしタイプ
• 最低限の仕事しかしない。
• 「給料分だけ働けばいい」という発想で、成長意欲が乏しい。
このタイプは成果を出すことよりも「現状維持」を優先します。
本人に悪気はなくても、組織全体の生産性を下げる要因となります。
さらに厄介なのは、周囲の社員に「この程度で許されるのか」という誤った基準を与えてしまうことです。
- 反抗・不満ばかりタイプ
• 会議や雑談で否定的な発言が多い。
• 新しい取り組みに強く抵抗し、チームの雰囲気を壊す。
「どうせ無理」「やっても意味がない」といった口癖で、周囲のモチベーションを下げます。
このタイプの発言力が強いと、プロジェクトが開始前から停滞してしまうこともあります。
ただし、裏を返せば「課題に敏感」でもあるため、適切に向き合えば改善のヒントを与えてくれる存在でもあります。
- コミュニケーション拒否タイプ
• 報連相が少なく、独断で仕事を進めてトラブルを招く。
• 必要な情報を共有せず、チームの連携を妨げる。
このタイプは「職人気質」で一人で黙々と仕事をこなすケースもあります。
しかし、現代のビジネスでは「チームで成果を出すこと」が前提です。
報連相を怠ることは、組織の信頼基盤を壊す致命的な要素となりかねません。
■ まとめ
「困った従業員」は、単なる性格の問題ではなく、企業文化や上司のマネジメントスタイルの影響を受けて表れる行動パターンです。
- 指示待ちは「考える余地が与えられていない」
- 自己保身は「評価制度が挑戦を認めていない」
- 怠惰は「成果を測る仕組みが曖昧」
- 反抗は「意見を拾う場がない」
- コミュニケーション拒否は「心理的安全性が欠けている」
つまり、困った従業員の存在は、組織に改善の余地があるサインでもあるのです。
次回は、これらのタイプに経営層や上司がどう対応すべきか、具体的な処方箋を紹介します。