先日、トヨタが進めてきた「ウーブンシティ(Woven City)」の一部エリアが、ついに先行開業しました。
静岡県裾野市のトヨタ工場跡地に誕生したこの未来都市は、まるでSFの世界がそのまま現実になったかのよう。
長年構想されてきた「人・モノ・情報が織りなす社会実験都市」が、いよいよ動き出しました。

このニュースを見て、ふと頭をよぎったのはジム・キャリー主演の映画『トゥルーマン・ショー』
人工的に作られた世界の中で、理想の生活が繰り広げられていく・・
そんな世界観にどこか通じるものを感じます。

ただしウーブンシティは、虚構ではなく現実を作り変えようとする“実験の場”
AI、モビリティ、エネルギー、医療、住宅、教育など、あらゆる分野のテクノロジーを統合し
人間の暮らしにどのように馴染ませていくかを検証していく、前例のない挑戦です。

そして何より注目すべきは、これが国家プロジェクトではなく、民間企業主導の社会モデルであるということ。
トヨタが中心となり、多くの企業やスタートアップ、大学、自治体が協働して“未来社会の実装”に挑んでいます。
トップダウンではなく、共創と実験から社会をデザインしていくというアプローチこそ
これからの時代に必要な姿勢かもしれません。

■ 「まちの総務」として感じる示唆

ウーブンシティは決して「遠い未来の話」ではありません。
実はその思想は、私たち中小企業や地方社会にも大きなヒントを与えています。

ウーブンシティのように、“実験を恐れずにやってみる文化”を職場や地域単位で広げることができれば
そこにも新しい働き方や仕組みが生まれます。

例えば、
• オフィスを「リアル+オンライン+コミュニティ」の融合空間に変えていく
• AIツールを業務効率化ではなく“新しい価値創出”のために使う
• 地域の小さな企業同士が技術やデータを共有し、仮想的な“ウーブン”を形成する

こうした動きは、すぐにでも始められる“小さな未来実験”です。

■ 「働き方」も変わる未来社会

トヨタがウーブンシティで描く社会は、単なるテクノロジー都市ではなく
「人がより幸せに働き、生きるための設計図」でもあります。
そこでは、働く場所と時間に縛られない自由な働き方、AIが支える意思決定
そして共創を前提にしたチームのあり方が前提になります。

つまり、“働き方改革のその先”
「テクノロジーと人間の共存社会」を実証する場所がウーブンシティなのです。

■ 終わりに

ウーブンシティの開業は、トヨタという一企業の挑戦を超え、
「民間主導で社会をデザインする時代の幕開け」を象徴しています。

政治や制度改革だけでは追いつかないスピードで、
企業が、そして個人が、未来の形を試し始めている。

そんな時代だからこそ、「まちの総務」としても、
自分たちの身の回りに“小さなウーブンシティ”を作る意識が求められるのかもしれません。

今後このプロジェクトがどんな進化を遂げ、どんな暮らしを描いていくのか。
その行方を見守りながら、自分たちの働き方にも“未来の種”をまいていきたいと思います。