
まちの総務が感じ続けてきた、小さな違和感から
「お客様は絶対神様だ」などと言うつもりはありません。
けれど少なくとも、「お客様は大切にされるべき存在」だとは思っています。
この考え方は、民間企業に限らず、本来は行政サービスにも通じるものではないでしょうか。
今回は、まちの総務として、また経営に関わる立場から
税金を「集める仕組み」と「配る仕組み」について、日頃感じている違和感を書いてみたいと思います。
税金の重要性は、誰もが理解している
まず前提として。
税金は国民の義務であり、社会を支えるために欠かせないものです。
この点について、多くの方が理解していると感じていますし、私自身も異論はありません。
問題は「税金そのもの」ではなく、税金を集め配る仕組みにあります。
昭和から続く「集める側ファースト」の構造
税務の仕組みは、良くも悪くも長い歴史の上に成り立っています。
ただ、その多くが昭和の時代から大きく変わらないまま、現在まで続いているように感じます。
日々の業務の中で思うのは、
この仕組みがどうしても「集める側ファースト」になっていて、
納める側(ユーザー)に優しい設計になっていないという点です。
申告主義であることは理解しています。
しかし、その前提のもとで課されている事業者側の負担は、決して小さくありません。
なぜ全事業者が“自腹”で税務処理をしているのか
企業活動において、会計処理が重要であることは言うまでもありません。
自社のお金の流れを把握し、経営判断に役立てるためのものです。
一方で、現実の会計業務は
「税務署へ提出するための資料作成」という側面が非常に大きくなっています。
そのために多くの事業者が、
• 有料の会計システムを導入し
• 必要に応じて会計事務所へ依頼し
• 人手不足の中でも担当者を配置している
企業の規模に関わらず、こうした負担を当然のように背負っています。
この状況に、私は以前から素朴な疑問を感じていました。
もし税金を集める側が民間企業だったら?
ここで少し視点を変えてみます。
もし、税金を集める側が民間企業だったとしたらどうでしょう。
納税者や納税企業は「お客様」です。
• システムは各自で用意してください
• 専門家が必要なら自費で
• 間違えたら罰則があります
こうしたサービス設計は、果たして受け入れられるでしょうか。
民間であれば、
「どうすればお客様が負担なく、スムーズに支払えるか」を真っ先に考えるはずです。
本来あるべき「気持ちよく税金を払える仕組み」
理想を言えば、
税金を納めていただく側が、仕組みを用意するのが自然ではないでしょうか。
• 無償で
• できるだけ簡単で
• 外部の専門家を介さず
• 一気通貫で税務処理ができる
そんな環境があれば、
「税金を払うこと」自体の心理的ハードルは、かなり下がるはずです。
同じ出口なら、同じ仕組みを使えないだろうか
企業には業種や規模の違いがあります。
ただし、最終的に「税金を支払う」という出口は同じです。
であれば、
• 共通の会計・税務基盤を用意し
• 出納管理は可能な限り自動化
• 共通ルールで自動仕分け
• 税制改定は一括反映
利用者は最小限の入力だけで「確認 → 決裁 → 完了」
税金は自動徴収され、
会計資料はガバメントクラウド側で安全に保存される。
大企業や複雑な会計が必要な企業は従来方式を残しつつ、中小企業は共通基盤を使うことで、
• 無駄な経費削減
• 人員の最適配置
• 文書管理の負担軽減
こうした効果が期待できるのではないでしょうか。
DX時代だからこそ、できることがあるはず
すでに国や自治体には、数十年分の税務データが蓄積されています。
毎年すべてを一から作り直す必要はありません。
前年データをベースに、変更点だけを修正するだけでも、工数は大きく削減できるはずです。
それは事業者側だけでなく、確認を行う行政側にとっても、人員の最適配置につながるはずです。
それでも、すぐに変わらない現実
正直なところ、
こうした考えがすぐに制度として実現するとは思っていません。
前例を重んじる今の仕組みの中では、大きな変化には時間がかかるでしょう。
希望を感じた「チームみらい」の考え方
そんな中で、希望を感じたのが新政党「チームみらい」の存在です。
党首のコメントとして、補助金や助成金の還付が「申請主義」である現状に疑問を投げかけています。
制度を知っている人だけが申請し、知らなければ権利があっても受け取れない。
これに対し、すでに国や自治体が持っている住民情報を活用し、対象者を自動抽出し、可能であれば
自動還付する。
とても真っ当で、DX時代にふさわしい考え方だと感じました。
集めるときは厳しく、返すときは自己責任?
徴収は厳格。
還付は申請しなければ受け取れない。
この構造は、今のデジタル社会においては、ひとつの「バグ」ではないでしょうか。
まちの総務として、これからも声を上げたい
声を上げたからといって、すぐに何かが変わるわけではありません。
それでも、多くの人が「おかしいよね」と共感し、話題にすることが第一歩だと思っています。
「あなたの困ったは、すでに誰かが解決している」
このコンセプトのもと、チームみらいやデジタル庁の今後の動きに期待しながら、
これからも現場の視点で考え続けていきたいと思います。
