前回は紙文化「ペーパー」に置き換えて見ました

大きく分けて3分類します。

  1. 会議用資料、レポートなど業務で使用する紙
  2. 法令や行政指導で数年間保管が義務付けられている紙
  3. 電子帳簿保存法で定められている紙(出納書類)

上記の3分類の割合は4:5:1位かと
今回は2番目の

・『法令や行政指導で数年間保管が義務付けられている紙』についての考察です

私ごとで恐縮ですが、前職時に半導体工場のISO関連のお仕事もしていた縁で
この類の文書管理(文書保管)の担当もしておりました。
それなりの規模の会社でしたので大小数カ所の工場から出てくる
様々な紙文書(品質日報、品質記録 etc)
何しろ大量にある文書を一時的な工場の片隅にストック文書を置き
定期的に大型倉庫にトラックで運び込み積み上げていました

当時は誰が何のために保存しているのか?なんて考える事もなく
単なるルールだからと諦めて段ボール積みをしていました。
これは様々な企業ではアルアルでは無いかと思います。
ISO取得事業者、安全管理の必要な事業者、行政など………

では、この文章保管に対してなす術は無いのか?
管理コストと管理スペースを考慮して
多少のコストを掛けても良いので有れば比較的簡単です。

紙での保管から電子データへの保管への移行です。
一番簡単な方法はスキャナーでの電子化です(自前or外注)
スキャナー手間は掛かりますが、保管スペースと検索は格段に変わります。

しかし、ここでよく言われる果て無き無用の議論があります。
「押印してある紙書類の原本保管で無くて良いか?」
ここに行き着き、社内担当間でも意見が別れるので
ましてや規模の大小の会社や行政単位では判断が出来ないのかこの部分です。
※まさにこれが今まで脱ハンコ出来なかった事と同じになります

実はルールを良く読み返して分解して理解すると
多くが「ハンコ(印影)が押してある原本の保管」とは書いておらず
何かの不具合や確認の際の「エビデンスとしての文章保管」がルール化
されているはずです。

印鑑(印影)と文書保管を混同しているケースが多いのです。

少し分解して考えます。
なぜ、紙書類に印鑑(印影)が必要だったか?
これは様々な事象に対して上長(管理者)が承認しましたよと言う証です
*もっと言うと印鑑では無くサインでもOKです。

文章保管の意義は?
承認した事象では無く、確認すべき内容のエビデンスとしての担保になります。

なので印鑑と文書保管は似て非なるモノです。
ここまで分解しても、それでは改竄(カイザン)出来てしまうじゃあ無いですか?
と行政担当や監査担当からで無く、謎の身内からの発言もありますww

改竄と印鑑?ここは性善説にもなりますが、改竄と印鑑も実は対照的な位置付けで
仮に改竄しようと思えば、紙書類であろうが電子データであろうが
印鑑であろうが何でも可能です。
これは一種の印鑑信者の思い込みにすぎません。

一番大事なのは
紙での文書に対して、承認する印鑑(サイン含む)と
文章保管で確認するエビデンスは切り離すべきです。

これは担当者間の想いでしか無く
例えば心配で有れば
「弊社の文章保管ルールは電子保管したのもを原本として
確実な保管管理(検索出力可能)にします」

と社内規定等に明文化すれば問題は無いと思います。

これは全ての業種に当てはまるかは
業種専用ルールを確認する必要はありますのでご意見下さい。
業種ルールを確認しながら一緒に考えましょう。

でも、これは
・法令や行政指導で数年間保管が義務付けられている紙
のペーパーレスに対する本質的な議論ではありません
紙を電子データにするだけで、元の紙情報自体は無くなっていませんから

ここを根本的に議論しない限りは、この話題は永遠に続きます
ある意味「紙文化のSDGs(持続可能な社会)」……