
今こそ断捨離して、未来のトラブルをゼロにする
今回のトラブル対応を通じて、改めて痛感したことがあります。
前回の記事はこちら
【現場のリアル】ITサポートで最も“地味に大変”な仕事とは?「ネット環境トラブル」
ネットワーク環境は、
「長年の積み重ね」
「担当の不在」
「継ぎ足し導入」
「配線の迷路化」
これらが合わさることで、想像以上に“危険な状態”になっていきます。
実は今回のケース、どの会社でも起こりうる “典型的な ITインフラの病気” といえます。
■ 今回のトラブルから見えた“本質的な問題”
- ネットワーク環境に長年の歴史あり。担当者は入れ替わり、全体像を誰も把握していない。
- 営業トークに押され、必要以上のセキュリティ機器(UTM)が複数導入されている。
- メーカーが複数絡むため、障害発生時に“責任の所在”も“原因”もわからない。
- 職場レイアウト変更のたびに配線を継ぎ足し、ケーブルはスパゲッティ状態。埃まみれで誰も触りたがらない。
- 難しそうだから…と、社内全員が“見て見ぬふり”をしてきた領域。
- 継続契約している機器やサービス内容を、誰も把握していない。(前任者任せの典型)
読んで「ウチも同じだ…」と思った方、実はほとんどの企業がそうです。
そしてこの放置こそが、
今回のような“数日間の業務停止級トラブル”の温床になります。
■ では、誰が?いつ?どうやって改善するのか?
多くの現場がここで止まります。
• 「いつか誰かがやってくれるだろう」
• 「今は忙しいから後回し」
• 「壊れてないから触らない方がいい」
そして、気づいたときには“後手後手”。
今回まさにそれが現実となりました。
だからこそ踏み出すべきなのは “今” です。
■ 年末の休日を使って、ネット環境の“断捨離”をやりませんか?
私から社長へもご提案しました。
「年末の休業日を使って、徹底的にネット環境の断捨離をしましょう」
もちろん、私も覚悟を決めてサポートします。
大切なのは、
「やると決めること」
「短時間で一気にやること」
です。
■ 実施内容(現実的で即使える計画)
- 影響の出ない休日に作業日を設定
- ケーブルを一本ずつ辿り、機器の役割・接続関係を整理
- 不要な機器の取り外し(※UTMは可能なら撤去推奨)
- 絡み合った配線を整理し、埃を取り除く
- 再配線時はテプラなどで用途を明示(未来の担当者が迷わない)
- 各機器の動作確認を“順番に”実施
• ネット接続
• プリンタ接続
• 専用機器の通信
• 共有ファイル(NAS)接続
• Wi-Fiの安定性 - 契約サービスの棚卸し
• 毎月自動引き落としされているサービス
• すでに使っていない機器のレンタル料
• 不要になった保守契約
• “何に使っているかわからない”契約
これらをまとめて見直します。
■ 効果は絶大。数時間の作業で“何年分の安心”が手に入る
• 配線はスッキリ
• 機器の役割が明確
• 不要な経費を削減
• 何があっても“原因を追える”環境に
• 「黒歴史のネットワーク構造」からの解放
そしてもっと大きいのは “目に見えない不安”からの脱却
これは本当に大きい。
■ 数年に一度はネット環境の断捨離を(オリンピックの年にやるのがおすすめ)
やる前は不安です。
でも、やり始めれば数名で一気に片付きます。
終わった後は必ずこう思います。
「もっと早くやっておけばよかった…!」
だからこそ、今こそ一歩を踏み出してほしい。
これは会社トップや経営層しか決断できません。
ネット環境の断捨離は、“未来のトラブルをゼロにする最強の予防策”。
ぜひ、勇気を持って最初の一歩を。私も伴走します。
