お客様から問合せがあり「人材確保等支援助成金」について調べてみます。

「人材確保等支援助成金」厚生労働省のHPより

「人材確保等支援助成金」概要

人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して助成します。魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的としています。

厚生労働省のHPより

HPを見ると各種様々なコースの紹介がありますが
ここでは3コースに絞って整理してみます。

※今回は「テレワークに関する助成金:テレワークコース」につきましては言及しませんでしたが
別途あらためて報告します。

(a)雇用管理制度助成コース
(c)中小企業団体助成コース
(h)外国人労働者就労環境整備助成コース

この3つに絞り評価点方式でまとめてみます。(高得点が良)
・実施難易度 (1-3)
・助成金の金額(1-3)
・おすすめ度(1-3)

内容は業界にもよるのであくまでも暫定です。

(a)雇用管理制度助成コース

【概要】
事業主が、雇用管理制度(諸手当等制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主のみ))の導入等による雇用管理改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成するものです。

【助成金額】
目標達成助成:離職率低下57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)

【主な要件】
以下5項目のうち、一つ以上を導入・実施した事業主に助成を行います。
1.研修制度(e-ラーニングなどを含む)
2.諸手当等制度(退職金制度など)
3.メンター制度(外部メンター制度含む)
4.健康づくり制度(肺がん検診など)
5.短時間正社員制度(保育事業主に方のみ)

【判定評価】9点(満点)
・実施難易度 (3点)
・助成金の金額(3点)
・おすすめ度(3点)
比較的、研修制度や健康作り制度などは導入しやすい内容です。
諸手当制度等の新たな制度の導入であっての社内規定(ルール)作りは必要ですが
既に社労士と共に整備されているので有れば、要件を確認して微調整で申請は可能。

(c)中小企業団体助成コース

【概要】
事業主団体が、その構成員である中小企業者(以下「構成中小企業者」という)に対して労働環境の向上を図るための事業を行う場合に助成するものであり、雇用管理の改善を推進し、雇用創出を図ることを目的としています。

【助成金額】
中小企業団体が構成中小企業者に労働環境向上事業を実施した場合に、要した費用の2/3を支給(上限額は、団体の規模に応じて600~1,000万円)

【主な要件】
〇事業協同組合などが、構成中小企業の人材確保や職場定着支援の事業を実施等
<内容>
以下のいずれかの取組みに資する事業を実施することが必要です。
1 労働時間等の設定の改善
2 男女の雇用機会均等の確保及び職業生活と家庭生活との両立支援 3 職場環境の改善
4 福利厚生の充実
5 募集・採用の改善
6 教育訓練の充実
7 その他安定的な雇用確保のための雇用管理の改善

【判定評価】5点
・実施難易度 (1点)
・助成金の金額(3点)
・おすすめ度(1点)
助成金額的には一番高額ですが、企業1社単位での申請では無く「〇〇工業組合」
的な組合組織などで活用する助成金のようです。
組合として会員企業の人材不足対応の採用募集にかける経費や組合員の社員教育に関する助成金等に活用出来ますので該当する組合組織の場合は検討の余地はありそうです。

(h)外国人労働者就労環境整備助成コース

【概要】
外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行などに関する知識の不足や、言語の違いなどから労働条件・解雇などに関するトラブルが生じやすい傾向にあります。この助成金は、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。

【助成金額】
支給対象経費の1/2(上限57万円)(生産性要件を満たした場合は2/3(上限72万円))

【主な要件】
○就労環境整備措置(雇用労務責任者の選任、就業規則等の社内規程の多言語化など)の導入・実施
○離職率目標の達成等
(1)外国人労働者を雇用する事業主であること
(2)認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人労働者に対する就労環境整備措置(1及び2の必須措置に加え、3~5のいずれかを選択)を新たに導入し、外国人労働者に対して実施すること
1、雇用労務責任者の選任
2、就業規則等の社内規程の多言語化
3、苦情・相談体制の整備
4、一時帰国のための休暇制度の整備
5、社内マニュアル・標識類等の多言語化

(3)就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後における外国人労働者の離職率が10%以下であること

【判定評価】6点
・実施難易度 (2点)
・助成金の金額(2点)
・おすすめ度(2点)
外国人雇用を進めている事業者に限られますが、この分野のケアは遅れてましたのでかなり踏み込んだ内容の助成金と考えます。
弊社のお得分野であります社内マニュアル・標準類の多言語化などは直ぐにでも対応できそうです。
まちの総務として「苦情、相談体制の整備」などはチャットポッドで受けていく事も可能になりそうです。

まとめ

評価点から見たおすすめ度は
1番 :判定評価点 9点(a)雇用管理制度助成コース
2番 :判定評価点 6点(h)外国人労働者就労環境整備助成コース
3番 :判定評価点 5点(c)中小企業団体助成コース

就業規則などのルール策定(提出)が義務付けられていますので社労士との連携は必要になります。
「まちの総務」としてサポート出来るのは
・申請書作成・社員教育制度の充実・作業指導マニュアル整備・多国籍言語翻訳

になろうかと思います。

詳細内容や申請手続きに関しては各県の労働局窓口が親身に対応していただけると思います。相談に行ってみる事をお勧めします。

「まちの総務」といたしましてもお客様と一緒に申請サポートを行い
実績事例を作りながらこのブログでも報告をして行きます。
一緒に勉強しながら進めていきましょう。

※今回は「テレワークに関する助成金:テレワークコース」につきましては言及しませんでしたが、別途あらためて報告します。