ISOと言う言葉が黒船に乗って日本に進出して来て何年ぐらいになるでしょうね。

ISO(国際標準)とはスイス・ジュネーヴに本部を置く、スイス民法による非営利法人である。1947年2月23日に設立された。国際的な標準である国際規格(IS: international standard)を策定している。
1952年、日本から日本工業標準調査会(JISC)が加盟した。

wikipedia

かなりの歴史がありますね。
私自身も前職時にISOに関する職場にいた事もあり学ばせて頂いた経験があります。

取得目的の細かい経緯は不明ですが
主に半導体製品を製造していたので国内外の顧客への必然性からの取得だったと思います。

そんな中私が考えるISO(国際標準)の功績
*今回の内容はISOと括り細かな(品質、環境、車載品質)は区分しておりません。

・製造作業の標準化が進んだこと
・曖昧だった責任及び権限か明文化された事

製造作業の標準化が進んだこと

当時はまだ古い体質の会社で製造関係者もKKD(勘と経験、度胸)が当然の
ガテン系?の職人職場でした。

現場の担当者の強面で職人肌の方も多く
「製造標準マニュアル」の必要性を訴えようものなら

「べらんめーww 仕事は体で覚え、背中を見て学ぶものだ」的に一喝されたモノでした。
今では信じられないと思うかもですが現場はこの様な空気感でした

そこでISO(国際規格)と言う名の黒船来襲です。
会社方針ですので、黒船を前には現場の声も届きませんww

現場の仕事が丸裸になって行きます。
・製造条件一覧表
・装置作業マニュアル
・製造作業マニュアル(製造標準)
・測定、外観検査規格(工程管理標準)

目的は明確です
製品を「安定的」「継続的」に顧客に供給するためには
出来る限り属人化を排除して標準的に高品質を担保しなくてはなりません。

疑う余地も否定する余地もありませんね。

出来る限り同じ条件で同じ作業で作り、特性規格に沿った製品作りが
「ものづくり」の原点でした。

曖昧だった責任及び権限か明文化された事

もう一つが「責任及び権限」です。
一見言い古された言葉ではありますが、これを「言葉として明示」するかしないかでは
大きな違いがあります。

責任の所在を明確にすると言う意味では非常に効果的な内容です。
会社内では「作業者、監督者」的な括りでは無く
会社によって違うと思いますが「主任、組長、班長、係長、課長、部長」的な職制があります
しかし、この職制にも範囲が曖昧(会社によってまちまち)で
責任の所在、何を担当まで明確にしたのがISOで言う中の「責任と権限」です。

責任のなすりつけ、これは誰が責任者、誰が決定権 特に古い男社会は
責任の所在を曖昧にして過ごしているケースが多々ありました。

これらの功績は非常に大きいと感じます。

その結果一番の評価できる点は
個人や担当では軋轢もあり進められなかった古い会社の体質を
黒船?と言う国際標準の来襲で変化を余儀なくされた

これに尽きると思います。

しかし、これにも裏表があり
逆を返せば、標準化と言う名の下に「ものづくりの民主化」が始まり
国際競争力を失った事も忘れてはいけません。

それでも工業界の発展を後押ししたと言っても過言では無いと信じています。

・・・これは人員や体制(組織作り)が潤沢に出来たメーカー例です
では中小企業に取ってのISOについて
これは次回のテーマに譲ります。