私たちの身の回りには、USBメモリやSSD、スマートフォンのストレージなど、フラッシュメモリを活用
した製品があふれています。写真や動画を保存したり、パソコンの起動速度を向上させたりと、現代の
デジタル社会に欠かせない技術です。
しかし、この便利な技術がどのように誕生したのかをご存じでしょうか？
実は、フラッシュメモリを開発したのは、日本の技術者です。今回は、その業績とフラッシュメモリが
もたらした影響について詳しく解説します。
フラッシュメモリを生み出した日本の技術者 舛岡富士雄氏とは？
舛岡富士雄氏は、日本の電機メーカー 東芝 に所属していたエンジニアであり、1980年にフラッシュメモリ
の基本概念を提案しました。その後、研究を重ね 1984年に開発に成功 し、世界に先駆けてこの技術を確立
しました。
彼の開発したフラッシュメモリの技術は、後にUSBメモリやSSDなどに応用され、現代の情報社会を支える
基盤技術の一つとなっています。
フラッシュメモリとは？
フラッシュメモリの基本概念
フラッシュメモリとは、電源を切ってもデータを保持できる半導体メモリ の一種です。従来の記憶装置
（例えばハードディスク）は、機械的な構造を持つため耐久性に難がありましたが、フラッシュメモリ
は 半導体チップのみで構成されているため、小型で高速、耐久性も高い という特長があります。
フラッシュメモリの種類
舛岡氏の研究により、フラッシュメモリは主に以下の 2種類 に分類されるようになりました。
1. NOR型フラッシュメモリ
• 高速なデータ読み出しが可能
• 主にプログラムの保存に使用される（例：マイコンのファームウェア）
2. NAND型フラッシュメモリ（舛岡氏の代表的な発明）
• データの書き込み・消去が高速
• 高密度なデータ保存が可能
• USBメモリ、SDカード、SSDなどに採用
特に NAND型フラッシュメモリ は、現在のストレージ技術の主流となっており、スマートフォンや
タブレット、パソコンなどのデバイスに広く使用されています。
フラッシュメモリのもたらした影響
- 記憶装置の進化
フラッシュメモリの登場により、ストレージデバイスは大きく進化しました。従来のHDD（ハード
ディスクドライブ）と比べ、高速・省電力・耐久性の向上 という大きなメリットを提供しました。
特にSSDの普及により、パソコンの起動時間が大幅に短縮されました。
- スマートフォンやデジタル機器の発展
スマートフォン、タブレット、デジタルカメラなどの 小型デバイスのストレージ技術 として、フラッシュ
メモリは不可欠です。特に、大容量のデータを保存できるNAND型フラッシュメモリの発展により、4K動画
や高解像度写真の保存が容易になりました。
- クラウド時代への貢献
フラッシュメモリ技術は、クラウドデータセンターのストレージとしても活用されています。SSDを使用
したサーバーは、従来のHDDサーバーと比べ、データ処理速度が飛躍的に向上 しました。その結果、
クラウドストレージやオンラインストリーミングサービスの利便性が高まりました。
舛岡富士雄氏の功績と評価
舛岡氏の開発したフラッシュメモリは、世界中の企業や消費者にとって欠かせない技術となりました。
しかし、彼の業績がすぐに評価されたわけではありません。
当初、舛岡氏のフラッシュメモリのアイデアは社内で大きな支持を得られず、「実用化は難しい」と
考えられていました。しかし、彼は粘り強く研究を続け、1984年についに開発に成功。
その後、フラッシュメモリは爆発的に普及し、今や世界中の電子機器に組み込まれる技術となっています。
彼の発明は、日本のみならず世界中で高く評価され、今後もデジタル社会を支える重要な技術として発展
し続けるでしょう。
まとめ：フラッシュメモリがもたらした未来
舛岡氏が開発したフラッシュメモリは、私たちの生活に欠かせない技術となりました。彼の発明が
なければ、現在のスマートフォンやSSD、クラウドサービスは存在しなかったかもしれません。
改めて、フラッシュメモリの革新性を振り返るとともに、日本の技術力の素晴らしさを再認識できます。
これからも、フラッシュメモリ技術は進化し続け、さらなる高速化・大容量化が進むでしょう。
次にUSBメモリやSSDを使うときは、「この技術は日本人技術者の偉業の結晶なんだ」と思いを馳せてみる
のも面白いかもしれませんね！