
「まちの総務」として、現場から始める共生
ここまでのシリーズでは、
・外国人をめぐる日本の空気感、
・共生をめぐる誤解、
・受け入れる側の前提整理、
そしてガイドブックと動画の構想についてお伝えしてきました。
最終回となる今回は、
この取り組みを「誰と」「どのように」育てていきたいのか、
そのスタンスを整理して締めくくります。
これは「正しさ」を広める活動ではありません
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
この取り組みは、
- 外国人を受け入れるべきだ、と主張するものでもなく
- 日本人が変わるべきだ、と迫るものでもなく
- こうするのが正解だ、と答えを押し付けるものでもありません
扱っているのは、すでに現場で起きている事実と、
多くの担当者が感じている「言葉にならない違和感」です。
それを、少し整理し、少し言語化し、考える材料として差し出しているだけです。
一番の対象は「現場で悩んでいる人」向けです
このガイドブックと動画を、特別な専門家に届けたいわけではありません。
想定しているのは、たとえばこんな方々です。
- 外国人を初めて受け入れた総務・人事担当
- 特定技能や技能実習を受け入れている現場責任者
- 相談されるけれど、正解が分からない管理職
- 現場と制度の間で板挟みになっている人
「自分の対応は間違っているのではないか」
「どこまで踏み込んでいいのか分からない」
そう感じたことがある人に、そっと置いておける資料でありたいと考えています。
「まちの総務」という立ち位置
この取り組みで目指している役割を「まちの総務」と呼んでいます。
それは、
- 現場で起きている小さな困りごとを拾い
- 誰かを裁くのではなく、整理し
- 少し先の判断を楽にする
そんな、裏方の役割です。
国の制度設計でも、大きな理念の議論でもなく、日々の運用に近い場所で支える存在。
それが、この取り組みの立ち位置です。
完成形は、最初から決めていません
このガイドブックも、動画シリーズも、
「これで完成」とするつもりはありません。
- 現場からの声
- 時代の変化
- 国や地域ごとの違い
そうしたものを受け取りながら、少しずつ更新し、育てていく前提です。
むしろ、未完成であることを前提にした取り組みです。
こんな関わり方を歓迎しています
関わり方も、一つではありません。
- 現場で使ってみた感想を教えてほしい
- こんなケースもある、と共有してほしい
- 自治体・企業研修で使ってみたい
- 動画のテーマ案を出したい
「一緒に作る」というより、「一緒に育てる」くらいの距離感を大切にしたいと考えています。
共生は、静かに進んでいくもの
このシリーズを通して伝えたかったのは、共生は、声高に語るものではなく、
静かに積み重なっていくものだということです。
大きな正解を探すより、目の前の現場が少し楽になること。
誰かが一人で抱え込まなくて済むこと。
その積み重ねが、結果として「共に働く社会」を形作っていくのだと思います。
最後に
もし、このガイドブックや動画が、
- 少し気持ちを軽くした
- 判断のヒントになった
- 誰かと話すきっかけになった
のであれば、それだけで十分です。
これが唯一の答えではありません。ただの一つの選択肢です。
それでも、現場から考えるための材料として、この取り組みが役立てば嬉しく思います。
