DX課題に向けてのブログやITサポートを行う中
様々な現場ヒアリングや事例、国が求める施策などから
「求める側」「求められる側」のギャップなども含めて
「DX」と言う難解な沸騰ワードを順序立てて解説して見ます。

今回の内容はテクニカル的なデジタル技術論では無くて
概念から捉えた考え方としての「DX部分」にフォーカスしています。
テクニカルな部分に関しては第二章で考えます。
なので今回は「DXを頭の中で整理しましょう」が目的になります。

・そもそもDXって何?デジタル化と何が違うの

そもそも「DXって何」と、ここの解釈や定義が色々とややこしくしています。
「D:デジタル」と言っているから、デジタルによる効率化を目指しましょう…的な
この辺からスタートしてしまうので、諸々ごちゃごちゃになりややこしくします。
先ずは、この辺の定義を明確にします。

  • デジタイゼーション:アナログ・物理データのデジタルデータ化
  • デジタライゼーション:個別の業務・製造プロセスのデジタル化
  • DX:組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化やビジネスモデルの変革

いきなり横文字羅列で恐縮です。
これらを順番にアナログからデジタル変革への過程としての解説と捉えて下さい。

①移行期:デジタイゼーション
②応用期:デジタライゼーション
③変革期:デジタルトランスフォーメーション「DX」

以上の様な過程があり、順序立てて解説せずに「DX議論」となるので
中身も、求めるものも、立場も理解度も定義も違う中で
一緒くたにに「DXで括る」ので余計に混乱を巻き起こします。

改めてこの部分の解説をして見ます。

移行期:デジタイゼーション

歴史を遡ると、1995年代のWindows95の発売時期位が変換期だったと思います。
高額で高値の華だったコンピュータが汎用的OS(Win95)と併せてPCとして
販売されて、手書きのアナログ時代からデジタル時代に入りました。

デジタイゼーショは、経済産業省の「DXレポート2」では「アナログ・物理データのデジタルデータ化」
と定義されています。 

参考:DXレポート2 中間取りまとめ(概要)|経済産業省

具体的には、ITシステムを導入して業務をデジタル化して業務効率化の実現が主な目的になります。
例えば、これまで手書きの報告書を作っていたものがワープロやPCでテキスト化した報告書などに
変わり「ツールのデジタル化」とも言えます。

応用期:デジタライゼーション

デジタライゼーションは、経済産業省の「DXレポート2」において「個別の業務・製造プロセスのデジタル
化」と定義されています。

参考:DXレポート2 中間取りまとめ(概要)|経済産業省

具体的には、単に手書きから置換では無く、特定の業務プロセスをまるごとデジタル化し、デジタル技術
で新たな価値やビジネスモデルを生み出すことを意味します。デジタイゼーションで電子化した報告書を
ワークフローなどで電子回覧して業務プロセス全体を通してデジタル化するなどで
「プロセスのデジタル化」とも言えます。

変革期:デジタルトランスフォーメーション「DX」

DXは「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」と定義されています。

参考:DXレポート2 中間取りまとめ(概要)|経済産業省

具体的には、個別の業務プロセスにとどまらず企業の組織全体をデジタル化することで、ビジネスモデル
や組織そのものも変革させていくことを意味します。デジタル技術で企業のビジネスモデルや企業のあり方
そのものを変革することで「ビジネスのデジタル化」とも言えます。

と、教科書的には以上の様な解説になります。

ここでいつもつまずきますが、「変革って何?」と言う部分よりも
先ずは企業規模や予算、推進者の違いで、同じデジタル化のお話でも
まだデジタル移行期前の企業もあり、移行途中の企業も、応用検討中の企業も
それぞれの立場も違う中で、一緒くたに「DXでの変革」と言われても「基本の定義」が違います。

  • アナログからのデジタル移行を変革?
  • 単一デジタルを応用させて変革?
  • SaaSを導入したから変革?
  • サーバーをクラウド化したから変革

これら一見あっていそうですが、DXの観点からは少しかけ離れています。
DXとして求めるのはあくまでも「変化」では無く「変革」です。

変革とは「物事を根本から変えて新しくすること。 また、変わって新しくなること」と定義されています。

なので、自身や企業として、この辺のスタート地点をしっかり定義してから「変革」議論をしないと
いつまでも並行線と言う所がDX解説を難しくしています。

次の章で「DX化が叫ばれる背景とは」に続きます。