■ はじめに

中小企業や現場改革の場面で、しばしば大きな壁となるのが「ワンマン上司・経営者」の存在です。
「自分の意見しか認めない」「人の話を聞かない」「強権的に物事を決める」そんな上司のもとで働くと
どれだけ優秀な人材でも疲弊し、改善活動やDX推進は止まってしまいます。

本連載では、この課題を5つの施策に整理し現場での生き抜き方と前進のためのヒントを解説してきました。
今回はその総括として、全体像を振り返ります。

■ 5つの処方箋の全体像

1. 「反発よりも“受け流す力”を持つ」

  • 真っ向から戦わない。あえて受け流すことで、自分やチームを守る。
  • ワンマンの暴走に正面衝突すれば消耗戦にしかならない。

2. 「小さな改善を積み重ねて“成果”で示す」

  • 抽象的な議論よりも、現場の成果を形にして見せる。
  • 成果を示すことで、ワンマンの意見も少しずつ軟化させられる。

3. 「味方をつくり、孤立しない」

  • 同僚や他部署と連携して、“ひとりで戦わない”環境を作る
  • ワンマン上司に対しても、複数人の合意形成は強い盾になる。

4. 「YESマンになりすぎない“調整術”」

  • 完全な服従ではなく、「受け入れつつ現実的に調整する」。
  • 例:「素晴らしいアイデアですね。ただ、実務上はこう工夫しましょう」。
  • 対立ではなく改善提案の形にすることで、巻き込まれすぎずに済む。

5. 「最後は環境を変える決断も」

  • どう工夫しても変わらない相手には限界がある。
  • 他部署との連携や異動・転職など、「距離を置く」手段も正当な選択。
  • 自分のキャリアと人生を守ることが最も重要。

■ ワンマン上司とDX推進の関係

DXや現場改善は、本来「チームで進めるもの」
しかし、ワンマン体制のもとではその本質がねじ曲げられ
「上司の意向に沿うかどうか」だけが基準になりがちです。

だからこそ、今回紹介したような「うまく立ち回る工夫」や「環境を変える勇気」が求められます。
言い換えれば、DXの成功はツールや技術以前に、“人間関係の壁”をどう超えるかにかかっているのです。

■ まとめ「自分をすり減らさない選択」を

ワンマン上司に疲弊し、現場が立ち止まってしまうのは、多くの企業に共通する悩みです。
しかし、

  • 受け流す
  • 小さな成果で動かす
  • 味方を作る
  • YESマンになりすぎず調整する
  • 距離を置く/環境を変える

これらの処方箋を組み合わせれば、状況は少しずつ改善できます。

最後に強調したいのは、「自分のキャリアを守るのは自分自身」ということ。
無理に我慢し続けるのではなく、冷静に環境を見極める勇気が、長期的な成長につながります。

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