現場の限界を前提に考えるという現実解

デジタル化の必要性を理解しながらも、日々の業務に追われ、十分な分析や業務整理まで手が回らない。
新しい技術を学ぶ時間が取れず、どこから手を付ければよいか分からない。
このような声は、多くの現場で共通しています。

さらに、中規模事業に多く見られる縦割り組織という構造上の課題もあります。
部門単位では最適化されていても、横断的な連携を取りながら改善を進めるのは容易ではありません。
こうした背景を踏まえると、第三者や既存システムに判断や実装を委ねる選択が出てくるのも
むしろ自然だと言えます。

「丸投げ」ではなく「賢く頼る」という視点

外部に任せること自体が問題ではありません。
大切なのは、その任せ方です。
何も考えずに委ねてしまえば、「手段の目的化」に逆戻りしますが
判断軸を持ったうえで頼れば、第三者の知見は強力な武器になります。

その際にとても有効なのが、「他社の成功事例」と「第三者の活用」です。
自社だけでゼロから考える必要はありません。
すでに同じ悩みを抱え、それを乗り越えてきた企業の取り組みから学べば
大きな失敗を避けることができます。

「あなたの困ったは、すでに解決している誰かがいます」

ここで改めて触れたいのが、「まちの総務」というコンセプトです。
その根底にあるのは、「あなたの困ったは、すでに解決している誰かがいます」という考え方です。

中小企業は、社内だけの“村社会”に閉じてしまいがちです。
しかし一歩外へ目を向ければ、同業他社・異業種・支援機関・専門家など
参考にできる知見は数多く存在しています。

社外に目を向けることがDXの第一歩

DXのスタートは、新しいシステムを導入することではありません。
社内だけで抱え込まず、外の情報を取りに行き、他社の取り組みを知り
必要に応じて第三者の力を借りることです。

「できない理由」ではなく、「どうすればできるか」を外に探しに行く。
その姿勢が、停滞から抜け出す最も現実的な方法です。

本シリーズを通じてお伝えしたかったのは、まさにこの視点です。
社外にヒントがあり、外とつながることが前進への第一歩になります。
その最初の一歩を、ぜひご一緒に。