今こそ断捨離して、未来のトラブルをゼロにする

今回のトラブル対応を通じて、改めて痛感したことがあります。
前回の記事はこちら
【現場のリアル】ITサポートで最も“地味に大変”な仕事とは?「ネット環境トラブル」

ネットワーク環境は、
「長年の積み重ね」
「担当の不在」
「継ぎ足し導入」
「配線の迷路化」

これらが合わさることで、想像以上に“危険な状態”になっていきます。

実は今回のケース、どの会社でも起こりうる “典型的な ITインフラの病気” といえます。

今回のトラブルから見えた“本質的な問題”

  1. ネットワーク環境に長年の歴史あり。担当者は入れ替わり、全体像を誰も把握していない。
  2. 営業トークに押され、必要以上のセキュリティ機器(UTM)が複数導入されている。
  3. メーカーが複数絡むため、障害発生時に“責任の所在”も“原因”もわからない。
  4. 職場レイアウト変更のたびに配線を継ぎ足し、ケーブルはスパゲッティ状態。埃まみれで誰も触りたがらない。
  5. 難しそうだから…と、社内全員が“見て見ぬふり”をしてきた領域。
  6. 継続契約している機器やサービス内容を、誰も把握していない。(前任者任せの典型)

読んで「ウチも同じだ…」と思った方、実はほとんどの企業がそうです。

そしてこの放置こそが、
今回のような“数日間の業務停止級トラブル”の温床になります。

■ では、誰が?いつ?どうやって改善するのか?

多くの現場がここで止まります。
• 「いつか誰かがやってくれるだろう」
• 「今は忙しいから後回し」
• 「壊れてないから触らない方がいい」

そして、気づいたときには“後手後手”。
今回まさにそれが現実となりました。

だからこそ踏み出すべきなのは “今” です。

■ 年末の休日を使って、ネット環境の“断捨離”をやりませんか?

私から社長へもご提案しました。

「年末の休業日を使って、徹底的にネット環境の断捨離をしましょう」
もちろん、私も覚悟を決めてサポートします。

大切なのは、
「やると決めること」
「短時間で一気にやること」

です。

■ 実施内容(現実的で即使える計画)

  1. 影響の出ない休日に作業日を設定
  2. ケーブルを一本ずつ辿り、機器の役割・接続関係を整理
  3. 不要な機器の取り外し(※UTMは可能なら撤去推奨)
  4. 絡み合った配線を整理し、埃を取り除く
  5. 再配線時はテプラなどで用途を明示(未来の担当者が迷わない)
  6. 各機器の動作確認を“順番に”実施
    • ネット接続
    • プリンタ接続
    • 専用機器の通信
    • 共有ファイル(NAS)接続
    • Wi-Fiの安定性
  7. 契約サービスの棚卸し
    • 毎月自動引き落としされているサービス
    • すでに使っていない機器のレンタル料
    • 不要になった保守契約
    “何に使っているかわからない”契約

これらをまとめて見直します。

■ 効果は絶大。数時間の作業で“何年分の安心”が手に入る

• 配線はスッキリ
• 機器の役割が明確
• 不要な経費を削減
• 何があっても“原因を追える”環境に
• 「黒歴史のネットワーク構造」からの解放

そしてもっと大きいのは “目に見えない不安”からの脱却
これは本当に大きい。

■ 数年に一度はネット環境の断捨離を(オリンピックの年にやるのがおすすめ)

やる前は不安です。
でも、やり始めれば数名で一気に片付きます。
終わった後は必ずこう思います。

「もっと早くやっておけばよかった…!」
だからこそ、今こそ一歩を踏み出してほしい。

これは会社トップや経営層しか決断できません。

ネット環境の断捨離は、“未来のトラブルをゼロにする最強の予防策”。
ぜひ、勇気を持って最初の一歩を。私も伴走します。