お客様先でシステム相談を進める中で、結構な確率で議論が頓挫する事が多々あります。

「FAX課題」です。

企業活動を行う中で、お客様さまとのやりとりは必要になります。
そのお客様とのやりとり手段が「FAX」であるために、様々な業務改善にブレーキがかかります。
良くあるケースが、お客様からの注文書がFAX、伝票類のFAX……
昨今は、PCも普及し電子メールやインターネットも普通に使える時代です。
それでも、何やら頑なに「FAX」にこだわるのか?この変革が出来ないために
システム構築などの際、FAX前提での仕様になってしまうケースをいっぱい見ています。

CASE1
・お客様からの注文に際して、お客様側でPCで注文書作成
・注文書を印刷してFAX送信
・受信側はFAXという謎のww画像書類を受取り
・画像データを読みながら手入力で台帳やシステムに登録
(追記)
・受取りました受領FAXを返信、出納書類を事前にFAX確認で送信後に郵送…

えっ今の時代にこんな事……とお思いになる方もいるかと思いますが
これは令和の時代のリアル(ノンフィクション)です。

この行為自体は、昭和時代から脈々と受け継がれて来た儀式でもあるので
当事者は(問題とは思いつつも)仕方ないお仕事ルーティンと諦めています。

一旦、業務のデメリットを整理します。
課題①:お客様はPCで作った資料を印刷してFAXしている
課題②:受け取った側はFAX情報よりPCにデータ入手している
課題③:受け取った情報にミスが無いか再度FAX返信して確認

データミスがあったあった場合は誰の責任になりますか?

①データ送信した側の担当者責任
②データ受信してPCに再入力した担当責任
③返信用FAXを見て確認した側の責任

上記の内容から責任の所在が曖昧で皆で分散しているように見受けられます。
これではミスの原因(責任)が不明で解決のしようがありません。
もちろんミスは起きますが、ミス確認を増やすよりも仕組みで対応するのが本来進むべき道です。

理想案を提示します。

①データ作成者が責任を持って資料作成しそのままデータ送信(FAX不使用)
②資料を受け取った側は転記手入力無く、データのまま処理
③確認FAXは不要

こうなった場合、発注ミスは誰の責任ですか?
受注側は発注されたデータを可変(転記手入力)無く処理→責任無し
ミスが起こるとすれば、発注者側の責任になります。

責任の所在が明確になったので、次は再発ミス防止の施策を考えるだけです。
※確認を人の手に委ねるのでは無く、仕組みでカバーするのがシステムです。

この事例はたまたま、1対1の状況ですが、これが1対多(1人の担当が数百社のFAX受信)と
考えると恐ろしさを覚えませんか?
こんな大事な判断や確認を、FAXがあるおかげで一担当者に責任を委ねている訳です。

では「OCR」や「FAX自動仕訳」システムなら解決してくれるのか?

そこで登場するのが「OCR」や「FAX自動仕訳」などのシステム…
これは一見解決策のように見えますが、本来の主旨からするとピントハズレであります。
大事な責任の所在を曖昧にしたままの置換作業でしか無い訳です。

それでも、無くなる気配を見せない「FAX」
次回はもう1事例からの何かの糸口を探って見ます。
デジタル行政やお国が目指す方向から探って見ます。
何らかの糸口が見えてくるかもです。

次回に続きます。