お仕事柄多くの製造業様の工場見学や工場視察をさせていただいております
そんな中工場をただ漠然と見学するのではなく、私なりに見学のポイントをまとめており
そこを重点的に見ることで工場の状況が理解できます。
前回は視察のポイントは「3T確認」でおおまかな工場管理状況(意識)がわかると書きました。
王道の5S確認
工場の管理や状態を確認する場合に避けて通れない「王道の5S確認」についてです。
前回の記事にも書きましたが「工場は生き物です」なのでどんなに自動化や最新設備があろうが
逆にどんなに老朽化した設備や古い工場であろうが管理の体制としては一緒になります。
「最新だから良し、古いから悪い」とはなりません。
古い設備でも工場でも管理の目が届き運用されている工場も存在します。
最新工場でも管理されておらず「澱んでいる」工場なども多く見受けられます。
そんな際の大事なポイント「5S」です。
少し言い尽くされた内容ではありますが「整理・整頓・清潔・清掃・躾」は
工場運営の基本になります。
それを少し深堀して見ます。
単なる製造作業として、加工設備を使用して製品加工をしている従業員を想像して下さい。
この担当者が「ただ言われた事だけやっていれば問題なし」と考えるか
作業を行う上での「注意事項を意識して次工程はお客さま」と5Sを徹底していたと想定します。
作業には不具合やトラブルはつきものです。設備不具合、材料不足、製品汚れ不具合
諸々の状況は日々遭遇します。
その際に「私は作業するだけの担当」と言う意識と「私は責任を持って作業を行う」
この意識だけでも品質に対して大きな影響を与えます。
この意識と言う言葉では定義しにくい漠然とした内容ではありますが
「整理・整頓・清潔・清掃・躾」を作業者の頭の中に意識する事で
・異常に気付く(異音や異臭がする)
・いつもと違う状況がわかる
・製品作業前後の見える化
細かくはもっとありますが、これらを踏まえての「躾(しつけ)」と言う意識付けが
非常に重要になります。
その結果「次工程はお客さま」と言う意識も芽生えて製品品質にも影響が出て来ると言う内容です。
これらが海外でも評価されている「日本のものづくり文化」の象徴であります。
日本の製造業衰退は別に所に課題がありますが、今でもこの「5S」は世界中で評価されています。
トヨタの「カイゼン」などが顕著です。
ここでのポイントは「工場視察の際のポイント」になるので
この様な目線で工場の状態(状況)をチェックしましょうとの内容アドバイスになります。
改めてになりますが「3T」は経営者や工場管理者の意識で直ぐにでも対応出来ます。
しかし「5S」に関しては「はい、今日から5S進めます」ではいけません。
ある程度の時間をかけて、自身がしっかりと自分ごとの重要性として落とし込めないと
意味がありません。
そこが簡単に行かない躾としての難しさでもあります。
これは言うが易しですが、社内だけでは簡単に出来きません。
(出来たら既にやっていますよね)
やはり専門家のプロに教育を踏まえての意識付けまで行っていただくのが近道です。
少し時間は掛かりますが、従業員(監督者から作業者)の意識を変えるのは簡単ではありません。
その辺は是非「まちの総務」にご相談ください。国の教育助成金も活用可能です。
先ずは自社工場をこんな目線で評価して見て下さい。
カイゼンポイントが色々と見えて来ると思います。
最初は「見える事」が重要、次はそこを対策していく事で一歩一歩前に進んでいきます。
「Japan as No1」を取り戻しましょう。
次回はこの辺を踏まえた、海外工場の状況について書いて見ます。